Materials that touch the senses
-感覚に触れるマテリアル-

 

しなやかで適度な無骨さで“質感”を表現するオリジナルのテキスタイル群

 

HUM VENTの特徴のひとつは、テキスタイルへのこだわりです。そのため、アイテムによっては使用する素材を1から製作しています。着心地の良さだけでなく、視覚や触感においても“高い質感”を感じてもらいたいですから」(ディレクター・櫛部)

 日本発のメンズブランドとして、2022AWにデビューするHUM VENT

 ブランドは《Classic:不変の美しさ。古着がまとう不変性と本物だけがもつ魅力。》、《Inflection:上質と遊び心。Classicを踏襲しながらも常識にとらわれない空気感。》《Function:快適な日常。着心地を重視したテキスタイルと先人たちの知恵が生んだClassicな機能美。》といった3つのコンセプトを掲げ、随時コレクションを展開していく。

 そのコンセプトを具現化するため、冒頭の言葉にもあったようにテキスタイルを構成するマテリアル選びから徹底的に追求した。 

 

例えば、ブランドのアイコン的な存在の〈NAVIS PEA COAT〉は、カシミヤ混二重織圧縮メルトン(撥水加工)といった、ホワイトカシミヤとタスマニアウールのスーパー原料をブレンド。その生地を高密度接結二重織で織り上げ、縮絨加工のみで強圧縮されたヘビーメルトンをオリジナルで作った。

 「通常のメルトンはウールだけで作られることがほとんどですが、〈NAVIS PEA COAT〉はカシミヤをブレンドしたオリジナル生地を製作しました。このウール自体も不純物が少なく希少性の高い、非常に良質な原料を用いているのですが、そこに上質なカシミヤを加えることでウール100%よりも適度な柔軟性が加わり、他のメルトンにはない風合いを生むことができます。そういったバランス感も、ディレクター・櫛部の狙いでした」 (プロダクション・末木)

 

また、秋口に活躍しそうな〈PISCIS FISHERMAN SWEATER〉や〈CORAL SANQUHAR SWEATER〉には、スパニッシュメリノを使用。

これは世界に流通しているウール原料の70%以上を占めるメリノ種の「原種」といわれる希少な羊毛で、クリンプ性が高くゴムのようなキックバックも特徴となる。

 「伝統的なメンズセーターといえばブリティッシュニット。

個人的にも好きなのですが、実際に着用すると首まわりがチクチクして着心地が損なわれることも。

なので、テキスタイルの観点からもメンズウエアの概念やうんちくを良い意味で転換させて、着心地や機能性、高い質感を表現していきたいなと」(ディレクター・櫛部)

 

 その他にも、風合いを出しやすくするために甘く撚られた一般的なカシミア糸の1.7倍ほどの撚り回数で仕上げられたツイストカシミヤを100%使った〈FUNICULUS CASHEMERE SWEATER〉を筆頭に、〈Twist cashmere BALACLAVA〉〈FUNICULUS CASHEMERE ARM WAMOR〉〈FUNICULUS CASHEMERE SOCKS〉など小物類でも、HUM VENTならではの良質な生地を堪能することができる。

 

 

 更に、ボトムスの生地に関してもユニークな試みが随所に施されている。

 40年代のデッキパンツを原型にした、オーバーサイズのシルエットが特徴の〈ORNARE ALL IN ONE〉は、光沢感としなやかさが特徴の梳毛を使用。表面感に毛羽もなく、長く着用しても本来の素材感をキープすることが可能だ。

 HUM VENTオリジナルファブリックで仕立てた〈SOLIS CAVALRY TROUSERS〉は、オリジナルのキャバリ―ツイルを採用。もともと騎兵隊員(CAVALRY)の制服として使われ、現在は乗馬パンツにも用いられている耐久性の高いキャバリーだが、経糸密度が限界本数であるにも関わらず、適度なしなやかさを表現。特殊なハード加工を施し、タッチ感と反発感を持たせた表面の縦畝と、サラッとソフトなタッチな裏面の組み合わせが魅力となっている。

 オーガニックコットンを使用した〈LABORIS TROUSERS〉は、経糸の打ち込み密度を限界まで入れ、原反にて強洗い+柔軟を入れた3重織りヘビーコーデュロイをオリジナルで製作。着用を繰り返すことで体に馴染むだけでなく、別注色のチャコールは硫化染めをすることで、古着のようなフェード感のある経年変化を楽しむことができる。

 「HUM VENTの大きな特徴であり、ディレクター・櫛部が特に大切にしているのは、やはり素材(マテリアルやテキスタイル)になります。そこを徹底していのは、着心地や機能性を考慮していることはもちろんですが “質感”に対するこだわりが強いからだと思います。生地が出来上がって最初のディレクターチェックは、見た目の印象です。つまり、触る・着るの前に、視覚から入ってくる生地が生み出す“質感”の表現が、HUM VENTらしさのひとつだと思っています」(プロダクション・岩本)

 

 全てのアイテムにおいて徹底した、マテリアルへの探究心とテキスタイルに対するこだわり。

 目で視て、手に触れ、実際に着用し、HUM VENTの生地世界を楽しんでいただきたい。

 

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